現存する肥前鳥居の最古のものはこれだと言われています。天正18年(1590年)に建立されたもので、実物はかなり小ぶりで、笠木と貫は3本継ぎですが柱は2本継ぎで額には文字がありません。柱の下段は異常に太いもので、佐賀県にある肥前鳥居の原型と思われます。同じ唐津市の加部島の田島神社の源頼光寄進の鳥居は天元3年(980年)と言われていますが、現存するものは江戸時代になってから再建されたものですからもうありません。さすがにこの鳥居は古色蒼然として風格があります。
この鳥居も国指定の重要文化財になっています。笠木、貫、柱が3本継ぎのどっしりと安定感がある鳥居です。慶長8年(1603年)に建立され、笠木は薄手のもので木鼻の反りもわずかで船の舳先を思わせます。ここには同じ型の鳥居が3基直線上にありますが、最近は付近の民家が建てこんできて探さなければならないようになっています。佐賀県は石の鳥居を文化財と位置付け前出の室園神社の鳥居は県の文化財に指定しています。